マデイラ・ワインはポルトガル領のマデイラ島で造られている酒精強化ワインである。エストゥファと呼ばれる加熱処理によて独特の風味が生まれる。
辛口から甘口までさまざまなタイプがあり、辛口のものは食前酒、甘口のものはデザートワインとして飲まれる。また、安価なものは料理酒としても用いられる。
一般的なのワインよりもアルコール度数が高く、17%から22%である。このため栓を開けても劣化が少ないため、1本のワインを少しずつ飲むということもできる。
マデイラはシェリー・ポートとならび世界三大酒精強化ワインのひとつに数えられる[1]。公的管理機関であるIVM(マデイラ・ワイン・インスティトゥート)によって、ブドウの産地や品種、熟成期間などが細かく定められている。
マデイラワインにはいくつもの種類がある。ひとつはフラスケイラと呼ばれるもので、同一収穫年の推奨品種のブドウ1品種のみで作られ、最低樽熟成期間が20年、瓶熟成が2年とされている。ラベルに品種とブドウの収穫年の表示がある。古いフラスケイラには推奨品種でないモスカテル種を使ったものや、1品種のブドウのみでつくられおらずラベルに品種表示がないものもある[2]。
コリエイタは単一収穫年ではあるがブドウの品種に規定がなく、樽熟成が5年以上で瓶熟成の必要がないものである。ラベルに収穫年の表示はあるが、ブドウの品種の表示はない[2]。
熟成期間が15年のものをエクストラリザーブ、10年はスペシャルリザーブまたはオールドリザーブ、5年はリザーブといい、これらのもの複数収穫年のブレンドでラベルに収穫年は表示されないが、品種名は表示されるものとされないものがある。品種表示のあるものは伝統品種の六種類のうち1種を85%以上使用しているものである[2]。
品種表示も熟成年表示もない3年熟成のファイトネスと呼ばれるものがある。また、レインウォーターと呼ばれるもはヴェルデーリョをブレンドされ3年以上熟成された中辛口のもの。輸送中に激しい雨のために樽に雨水がしみ込んで変質したワインが偶然にも非常に美味しかったことにちなんで名付けられた[3]
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ソレラと呼ばれる樽を移し替えながら熟成させるタイプのマデイラもある。樽を3段あるいは4段にかさね、一番下に熟成した古いワインを置き、上になるほど熟成の短い若いものを置く。一番下の樽に詰められたワインを毎年1/10ずつ出荷し足りなくなった分を2段目の樽から補充する。2段目の樽の減った分をその上の樽から補充する。EU加盟後は一番下の樽は10年目に全て空にしなければならないという規定になり、ソレラによるメリットがなくなってしまったため、この方法で作られるマデイラは少なくなった[4]。
甘さによる分類は4段階で辛口(セコ)、中辛口(メイオ・セコ)、中甘口(メイオ・ドセ)、甘口(ドセ)。かつては、完全に発酵させた辛口のものにブドウ果汁を煮詰めたものや、ブドウ果汁にアルコールを加えたものを添加し甘味を調節していたが、現在は酒精強化のタイミングで甘さを調節している。
マデイラの色は琥珀色からマホガーニー色の間で5段階に分けられる。辛口のものは色が淡く、甘口になるほど色が濃くなる。同じ甘さのものでは熟成年数が長いほど色が濃くなる。黒ブドウから作られたマデイラでも後述する加熱処理によって退色して白ブドウから作られたものと同じような褐色系の色になる[5]。